健康保険と国民健康保険の違いについて。加入者によっては入れる保険が違う
健康保険と国民健康保険はどちらも、病気やケガで医療機関を受診した際の費用を補助してくれる公的医療保険です。
しかし、加入者や保険料、給付内容などにはいくつかの違いがあります。
この記事では、健康保険と国民健康保険の違いについて詳しく解説します。
健康保険と国民健康保険との違いについて
健康保険と国民健康保険は、どちらも病気やケガで医療機関を受診した際の費用を補助してくれる公的医療保険です。
この2つの保険はよく混同して使われることが多いのですが、この2つには違いがあります。一番の違いは、「
健康保険は、会社員や公務員、その扶養家族が加入する医療保険です。保険料は、被保険者と事業者が折半して負担します。給付内容は、入院費や外来費、手術費などの一部が補助されます。
社会保険とも呼ばれます。
一方、国民健康保険は、自営業者や自由業者、農林漁業者などとその家族を対象にしています。
逆に言い換えると、「会社員が加入する健康保険や公務員が加入する共済保険の被保険者とその家族や生活保護を受けている世帯、後期高齢者医療制度の対象者を除いて、その市区町村に住所がある人全てが対象」となるのが国民健康保険です。
保険者については、健康保険は
・全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)
・組合管掌健康保険(組合健保)
国民健康保険は、
・都道府県、市区町村
となり、まったく違ってきます。
さらに、健康保険と国民健康保険との違いは次のような内容となっています。
1.国民健康保険は、業務上の病気やケガも対象となります。
2.国民健康保険は所得補償の性質のある、傷病手当金や出産手当金が(任意給付だが)事実上ありません。
3.保険料(税)は、健康保険では報酬額により決まりますが、国民健康保険は、市区町村により異なります。
もらえる年金の違いについて
健康保険に加入している人は、厚生年金と国民年金の2種類の年金に加入しています。
厚生年金は、勤務先の事業主と被保険者が折半して保険料を負担する年金です。国民年金は、被保険者が全額保険料を負担する年金です。
国民健康保険に加入している人は、国民年金のみに加入しています。国民健康保険では、厚生年金に加入する制度がありません。
健康保険と国民健康保険の年金の種類の違いは、老後の生活に大きな影響を与えます。
健康保険に加入している人は、厚生年金と国民年金の2種類の年金を受給することができますが、国民健康保険に加入している人は、国民年金のみを受給することができます。
そのため、健康保険に加入している人は、国民健康保険に加入している人よりも、老後の生活に安定した収入を得ることができます。
(相対的に健康保険の人の方が、保険料を多く払っている。)
参考 ・働きながら年金を受給できる?給与収入がある場合でも老齢年金を受け取ることができる
国民健康保険の加入者は、公的年金以外に積立年金等をしておくことを考えておきましょう。また、専門家から適切なアドバイスを受け、株等の投資商品に目を向けておくのもいいでしょう。
参考 ・高齢者の生活費調査について。安心できる老後の生活費や貯蓄をできている?